暗譜で演奏する場合を除き、楽譜がないと演奏ができません。楽譜の書き方についてもいろいろ議論はあると思いますが、今回は紙と製本という事について私見を整理してみました。
楽譜として利用するため、紙には意外とリクエストがあります。弦楽器とかオペラ等で長時間演奏する場合などは結構切実な問題と思います。
・めくるときに音がしないこと(ppの演奏なのにふめくり音がするのは興ざめです)
・荒っぽくめくっても破れないこと(0コンマ数秒でめくる必要があるケースは多いです(*))
・白すぎない事(長時間見続けても疲れない)。
・薄すぎず厚すぎず(裏面が透けてはいけないし、大きいサイズだと譜面台からはみ出してもへたれない事が必要。かといってめくりにくいのは困ります)
・平滑でインクの乗りが良い事。(ちょっと凹凸があってかすれ目だと、フラットとナチュラルを間違えやすい)
・紙に汚れがない事(スタッカート記号(点で表されます)と時々間違えてしまう汚れがある。特にコピーした場合)
結果、薄いクリーム色で、しなやかでペラペラ音がしない(ちょっと水分多めな感じ)、それでいて破れにくい紙が選ばれる事となります。(湿度とかにも関係するのでしょうから、国によって最適な紙質はひょっとしたら異なるかもしれません)
* 楽譜が悪いと、全く休みがないのに譜めくりする必要がある時があります。この対応として、楽譜を途中の段(何小節かの休みがあるところ)で切って、ページの上半分だけをめくっておいたり、次のページを1枚コピーしてはさんでおいたり、という事をします。さらにクラリネットの場合は、運よくページの最後の音がのばしで、上管だけの場合は右手があくので、左手と足で楽器を支えて吹き続けながら、右手でめくる、という裏技も使ったりします。(他の楽器で出来るのかどうかは知りません、あしからず)。
販売されている楽譜については、これらをクリアしているケースが多いと思うのですが、資金難からコピー譜を使う必要のある我々アマチュアは、いわゆる普通紙にコピーをする事となります。(紙を持ち込むところまではなかなか出来ない)
1曲が数枚程度で終わる事の多い金管や打楽器の場合を除き、1枚ずつコピーしただけではなく、本番にむけて製本する事が必要です。製本をしないと、譜めくりのときに次のページを落としてしまう、運よく拾えても頁の順番が分からなくなり、演奏ができなくなってしまう、などの事が起こりうるからです。
そこで、製本をイメージしながらコピーをする事となります。但し元譜は、規格外のサイズ(A版とかB版でない)である事が多いので、それによってコピーの仕方も変わります。
1.1ページがA4以下のサイズに収まる場合
見開きの状態でA3用紙(A4の場合)に2頁分をコピーします。そうすると真ん中を谷折りして、印刷されていない面同士を糊付けすることで製本が完了します。最初のページと最後のページ(ページ数が偶数の場合)はもとのサイズでコピーしてはるか、最後と最初のページを1枚にコピーし貼り合わせるようにします。
2.1ページがA4以下のサイズに収まらない場合
(a).テープで貼り合わせる。
文字通りです。但し、セロハンテープはお勧めしません。一時的には格好がつきますが、時間の経過とともに粘着力が落ちて剥がれたり、変色したり、粘性質が染み出してきたり、して良くありません。また、折っても綺麗に形が落ち着く必要もあり、その意味でもセロハンはしっくりきません。なので、著者はもっぱら(b)の方法を利用しています(テープを買うのが面倒という事もあります)。現在は、楽譜用として和紙テープというのが市販されているようです。http://ongakukoubou.net/bindwashi.html (今度試してみようと思います)
(b).糊付けする
のりしろをとって、本の形にくみ上げて行きます。以下著者がよく使うパターン(手順)を書きます。
8ページ分の譜面を想定して記述します。
① できるだけ糊代がとれるように、コピー位置を調整します(大概ページ番号が書いてある側が外側なので、音符が切れないぎりぎりのところでコピーします)。
② 偶数ページの糊しろ部分を切除します。(2,4,6,8ページ)
③ 後ろのページから前のページにくみ上げます。奇数ページ(この例だと7ページ)の上にその前の偶数ページ(6ページ)を印刷面を向かい合わせで重ねます。外側をあわせると奇数ページ(7P)の糊しろ部分がはみ出た状態となります。その糊しろ部分を折り返し(谷折り)ます。偶数ページ(6P)裏面の上に一部重なります。折り返した糊しろが重なる部分を糊付けします。その状態で開くと、見開き2頁(6-7P)が出来上がっているはずです。
④ 閉じられた状態で、偶数ページ(6P)の裏とその前の奇数ページ(5P)の裏を、外側の位置を重ねて張り合わせます。
⑤ その前の偶数ページ(4P)を重ねて、③の作業をします。以下繰り返します。
⑥ 1ページ目について④の作業を行います。
⑦ 1ページの糊しろ分を、山折りして、製本の最後のページ(7P)の裏に重ねて、糊付けします。
⑧ 最終ページ(8P)を糊付けします。(7Pの裏と8Pの裏(一部1Pの表)を貼り合わせます)
奇数枚数の場合は、最後の⑧が不要となります。ちなみに上記を行うためには、コピー機・紙の他に、断裁機、糊が必要となります。糊は、液体やジェル状のものは、紙がふやけてしまうのでNGです。固形糊(スティック状のもの)が一番良いようです。本当は適度な湿度の中で糊付けして、乾燥と共に張りのある仕上がりとする、という事まで考えられればよいのですが、なかなかそこまでは技術がなく、後から反り返ってしまったり波打ってしまったりする事も起きるのですが、そこそこのレベルでは仕上がってくれると思います。某コピー屋さんでは作業台もあるので一連の作業をお店で行う事ができるので個人的に愛用しています。
ちなみに、両面コピーを試してみたことがありますが、紙厚が薄すぎて譜面台の上でへたってしまうので、結局なんらかの張り合わせを続けています。製本は結構面倒で手間がかかりますが、自然と楽譜に愛着がわいてきます。
演奏される方もしない方も、紙と製本に注意して、譜めくりの瞬間に注意すると、いろんな発見があるのではないかと思います。お試しあれ。
※ この記事は、こちらを参考にしています。 http://ongakukoubou.net/musicpaper.html
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